秋田県教育委員会の主催で,秋田県内の高校生を対象としたマイクロビットのプログラミングコンテスト「秋田県高校生マイクロビットコンテスト」が開催されました.実行委員という立場で協力しましたが,無事に審査が終わり,2024年2月14日に秋田県庁第二庁舎を会場として表彰式を執り行いました.このコンテストは今回が初めての開催であり,作品が集まるか心配していたのですが,多数の応募があり,優れた作品が多数ありました.
表彰式では,エキスパート部門の講評と総評を担当しました.内容は以下の通りです.
【エキスパート部門講評】
受賞者の皆さん,大変おめでとうございます.
提案された作品は,AIあり,ロボットカーありと,エキスパートという言葉に恥じない高い技術の作品が多数提案されました.特に最優秀賞の作品はAIを用いた画像認識でゴミを分別するというもので,とても実用的な作品でした.近い将来,ゴミの分別は人間でなくロボットがすべてやる時代がくるかもしれませんね.技術の高さと実用性を高く評価しました.
現在は,デジタル技術が急速に進歩し,生活様式を変化させるほどという状況にあります.極めつけはChatGPTをはじめとする生成AIが登場し,コンピュータやロボットができることが格段に増えました.近い将来,コンピュータやAIにできることはすべて彼らに任せて,人間は本来やりたかったことに専念できる時代がやってくると思います.そういう時代が早く訪れるよう,受賞者の皆さんをはじめ,応募者の皆さんには,今回の作品を改良していってもらいたいですし,今回参加しなかった人も含めて,新たな作品を作ったりしていってもらいたいと思います.
受賞者の皆さん,本当におめでとうございます.
【総評】
最後に,総評としてコメントさせていただきます.
高校で情報Ⅰという授業が始まるのと時を同じくして,秋田県ではすべての県立高校にマイクロビットが導入されました.マイクロビットは教育用のマイコンボードで,いろいろなセンサが内蔵されていることや小中学生がブロックプログラミングで簡単にプログラミングできるだけでなく,高校生以上はPythonやJavascriptといったテキスト言語でプログラミングすることができ,幅広い世代で活用できる優れた教育用ツールです.その素晴らしさ,おもしろさは,コンテストに参加した皆さんが一番よくご存じではないでしょうか.
せっかくのツールですから,皆さんにたくさん使ってもらいたいという思いがあり,秋田県高校生マイクロビットコンテストを開催することにいたしました.今年度が第1回で,作品が集まるのかどうか,実行委員もひやひやどきどきでしたが,アイデア部門に58件,スタンダード部門に6件,エキスパート部門に5件の応募がございました.優れたアイデア,高い技術の作品が多数あり,惜しくも受賞を逃した作品の中にも,優れた作品が多数ありました.今回受賞された皆さんの作品は優れた作品の中でさらに一段上のレベルの作品でしたので,受賞したことを誇りに思っていただければと思います.
さて,今後の皆さんのさらなる発展に向けて,少しコメントして,総評をしめたいと思います.最初にも話題にあげましたが,高校では情報Ⅰという科目が始まりました.また,県内の一部の高校にはデジタル探究コースが設置され,デジタル機器を使って探究しようという雰囲気が生まれています.マイクロビットを使うと,明るさや温度,磁気など様々な情報をデジタルデータとして取得することができます.データをもとに分析するとこれまでみえなかったいろいろなことがみえてきたりします.今後はぜひそういう機能も活用して,これまでわからなかったことを解明していくことにチャレンジしてもらえるとうれしいなと思います.ぜひ今後もマイクロビットを活用してください.
(廣田)